温泉の歴史 日本の湯治文化・温泉文化を知り温泉を楽しもう
2024.02.13
温泉の歴史 日本の湯治文化・温泉文化を知り温泉を楽しもう

日本の温泉は「古事記」、「日本書紀」、「風土記」といった古史古伝にも記述が見られるくらい古い歴史を持っています。
日本の温泉はいつから誕生し、どのような歴史を歩みながら温泉文化を形成してきたのでしょうか。
そこで、この記事では日本の温泉の歴史を解説するとともに、湯治場や温泉文化についても触れてみます。
全国の温泉ファンの方は、ぜひ参考にしていただき、より深い温泉の知識を身に着けていただければ幸いです。

温泉の歴史

 

温泉の起源に関してはさまざまな説があり、よく分かっていないのが実情です。
1300年ほど前の奈良時代には、すでに当時の書物に温泉に関する記載があります。
その頃の温泉は病気を治すための、いわゆる「湯治」をするための場所であり、観光地ではありませんでした。

日本では、さまざまなパターンで温泉が発展してきました。
そもそも温泉は、火山の噴火がひんぱんに起こる地域で、太古から自然に沸き出ていたもので、人類の歴史より古いと考えられています。

日本で一番古い温泉はどこなのかは知るよしもありません。
しかし、最近は、地球科学の研究の進歩によって、温泉が出現した時代がわかるようになってきました。

「日本書紀」に記載された天皇の温泉行幸


「日本書紀(にほんしょき)」は日本最古の歴史書です。
日本書紀には、舒明天皇、斉明天皇、天智天皇、天武天皇が温泉に行幸したことについて書かれています。
「日本書紀」をはじめとする古史古伝には、当時の天皇の温泉行脚の記録がたくさん見られます。

風土記と温泉

「風土記(ふどき)」は、各地の風土を記録した古史古伝です。
この書物には、温泉についての記述がよく見られます。

たとえば、「伊予国風土記」には、大国主命(おおくにぬしのみこと)と少彦名神(すくなびこなのみかみ)の伊予の国でのエピソードが書かれています。
少彦名神は伊予の国を訪れた際に、具合が悪くなって寝込んでしまいました。

その時、たまたま伊予国を訪れた大国主命が、少彦名神を手のひらにのせて、温かいお湯の中に入浴させてあげたところ、すぐに少彦名神の具合は回復したのです。
うれしさのあまり、少彦名神は近くの石の上で舞を舞ったのですが、その石が道後温泉のそばにある「玉の石」と呼ばれるようになりました。

こうして、温泉は病気を治癒してくれるものとして知れ渡ることになり、「神の湯」と言われる川辺に湧く温泉に、老若男女が通うようになったのです。

温泉行幸の記録

有馬の湯は、631年飛鳥時代に、舒明天皇が86日間の湯治を行ったと「日本書紀」に記述されています。
このことは、天皇による初めての温泉行幸であるとともに、初の湯治でした。

また、「伊予国風土記」によると、596年に聖徳太子が現在の道後温泉である「伊豫温湯(いよのゆ)」へ行幸し、碑を立てたという記述があります。
このように、日本の古史古伝を読むと、かつての温泉は高貴な人の「統治場(とうじば)」とされていたようです。

武士や僧侶によって広がった温泉


中世の鎌倉時代になると、熱海・箱根・伊香保・草津などの温泉が有名になりました。
当時は、武士や武将、僧侶が、湯治場としての目的で温泉をよく利用していたようです。

戦国時代は、傷ついた兵士を多くの温泉地で治療したという記録が見られます。
甲信越地方では、「隠し湯」と呼ばれる温泉地が多数存在し、武田信玄や真田幸村といった戦国武将が愛用したようです。
なお、山梨県の下部、長野県の渋、神奈川県の中川温泉などが武田信玄の「隠し湯」としてよく知られています。

江戸時代、庶民にも広まる温泉


江戸幕府になって政権が安定すると、温泉はたくさんの人々に利用されるようになり、湯治目的だけでなく、他の人との交流目的で温泉を楽しむ人も増えてきたようです。
街道からの交通の便のよい箱根では、「七湯巡り(ななゆめぐり)」が人気で、この時代は学者や医師による温泉医学も進みました。

温泉のランキング付けや温泉案内といったものが発行されるようになりましたが、当時は長年の経験や勘によって温泉の効能を決めていたようです。
また、温泉の番付は、効能が顕著で歴史が古いほどランクが上とされていました。

東方は群馬県の草津温泉、栃木県の那須温泉、神奈川県の湯河原温泉・箱根芦之湯温泉、青森県の嶽温泉、群馬県の伊香保温泉、宮城県の鳴子温泉などが人気だったようです。
一方、西方では兵庫県の有馬温泉・城崎温泉、愛媛県の道後温泉、石川県の山中温泉、熊本県の阿蘇温泉、大分県の別府温泉などが人気でした。

近代の温泉の歴史


日本の温泉は誕生してからいろんな歴史を歩き、その都度変貌を遂げてきました。
明治以降の近代になって、温泉の歴史はどのような変貌を遂げたのでしょうか。

明治から昭和にかけての温泉の発展

明治時代は、日本で初めての温泉に関する全国調査が実施され、1886年(明治19年)に「日本鉱泉誌」が内務省衛生局から出版されました

また日本の資本主義経済が急速に発展するのにしたがって、それまでの湯治場から保養所という意味合いのものに温泉は変貌していきます。
また、全国各地で温泉の開発・温泉の新規掘削が行われ、熱海、別府、箱根などが大きく発展しました。

大正時代は、箱根や熱海の温泉などをはじめとして、保養地としての役割をあわせ持つ温泉地が出現します。
しかし、まだ江戸時代から続く湯治場として利用される温泉地が多かったようです。

昭和になると、鉄道の整備によって都会から温泉地へ簡単にアクセスできるようになったため、下呂温泉、水上温泉、箱根温泉、鬼怒川温泉などに多く人が訪れるようになりました。

第二次世界大戦中は疎開してきた子供を多くの温泉地で受け入れるためや、傷病兵を療養するための施設として温泉地が利用されるようになったようです。

癒しのために温泉を訪れる現代人

現代の日本では、温泉地が3千カ所、源泉地が2万7千カ所ほどあるとされています。
忙しく、ストレスがたまりがちな現代人にとって、温泉の日常を忘れてリラックスさせてくれる効果が目的で訪れる人が多いようです。

温泉の歴史にまつわる質問


ここで、温泉の歴史にまつわるよくある質問についてまとめてみました。
温泉をより楽しむためにもぜひご参考にしてください。

日本で最初にできた温泉地は?

日本に昔からある温泉を「日本三古湯(にほんさんことう)」と称しています。
有馬温泉(ありまおんせん;兵庫県)、道後温泉(どうごおんせん;愛媛県)、白浜温泉(しらはまおんせん;和歌山県)の3つの温泉です。
その中でも道後温泉が日本で最初にできた温泉地と言われています。

道後温泉の歴史は3千年以上という説もありま
聖徳太子や夏目漱石、正岡子規といった多くの有名な歴史上の人物が入浴したことでも有名です。

なぜ日本は温泉文化なのか?

日本では、梅雨や台風、降雪によって、大量の水資源を日本列島にもたらしてくれます。
また、日本は火山活動が盛んで、人類が誕生する以前から自然に温泉がわき出ていたものと考えられています。
このような海外には見られない豊富な温泉資源に恵まれることによって、古くから日本では温泉文化を育んできたと言えるでしょう。

温泉に関する知識を深めて温泉を味わおう


たくさんの温泉地が存在する日本は、温泉大国と言っても過言ではありません。
そのため、日本では、毎日の疲れをいやすとともに、健康のためにものんびり湯につかりたいという温泉マニアの方も多いのが特徴です。

そんな温泉マニアの方が、温泉の歴史や、湯治文化や温泉文化など温泉に関する知識を知っておくと、入浴の楽しさもさらに大きく広がるのではないでしょうか。
この機会にぜひ全国各地の温泉地へ出かけてみましょう。

なお、源泉掛け流しの天然温泉「栃木天然温泉 いきいき夢ロマン」は、都心からのアクセスもよく、ゆっくりくつろげるおすすめの温泉施設です。
ぜひ一度お出かけください。