鉱泉とは?鉱泉の定義、鉱泉と温泉との違いについて分かりやすく解説
2023.12.22
鉱泉とは?鉱泉の定義、鉱泉と温泉との違いについて分かりやすく解説

温泉と鉱泉とはいったいどこが違うのでしょうか。
また、温泉や鉱泉にははっきりした定義があるのでしょうか。
温泉好きな人でも鉱泉と温泉の違いを言える人は少ないのではないかと思われます。

そこでこの記事では、鉱泉の定義や分類、温泉との違いなどについて解説します。
温泉をよりいっそう楽しむためにもぜひご参考にしてください。

 

◆鉱泉とは?鉱泉の定義について


鉱泉には定義があるのでしょうか。
また、鉱泉と温泉とはどこが違うのでしょうか。

 

1.鉱泉の定義

環境省が定めた「鉱泉分析法指針」によると、鉱泉の定義は以下のとおりです。

・地中から湧き出た泉水であること
・たくさんのガス状物質、固形物質、特殊な物質を含むか、泉温が源泉周囲の年平均気温よりいつも著しく高いもの

鉱泉と呼ばれるためには上記の2つの条件が必要です。
たとえば、地中から湧き出した水に特定な物質が含まれていれば鉱泉であると言えます。
特定の物質が含まれていない場合でも、地中から湧き出した泉水の温度が周辺の平均気温よりも著しく高いものは、これも鉱泉です。

 

2.鉱泉と温泉の違い

特に療養の目的で役立つと考えられる鉱泉を「療養泉とする」という記載が「鉱泉分析法指針」にあります。

「療養泉」は、とても強力な効果効能を持つ鉱泉というわけです。

「温泉」の場合は「温泉法」という法律によって定められており、「鉱泉」は「鉱泉分析法指針」によって定められていることになります。

なお、規定以上の数値で19種類の物質が含まれているか、あるいは泉温が25℃以上である必要があるという点は温泉も鉱泉も共通です。
温泉は気体を含み、鉱泉は気体を含まず液体のみを含むという点が異なる点になります。

ひところは、地中からの湧き水で、何らかの成分が含まれているものはひとくくりにされて、鉱泉と言われていました。
温度が高い鉱泉イコール「温泉」で、温度が低い鉱泉イコール「冷泉」としていた時代もあったようです。
その名残で、今日でも「鉱泉」は温度が低い温泉のことだと思っている人が多いようですね。

 

◆鉱泉と温泉の違いとは?


鉱泉と温泉の違いとは?

鉱泉と温泉の違いはどういった点にあるのでしょうか。
この機会にきちんと区別をしてみましょう。

 

そもそも温泉とは?

鉱泉と温泉の違いを知る前に、温泉とは何かをしっかり確認しておきましょう。
「温泉」の定義は「温泉法」(昭和23年制定)によって明確に規定されています。

「地中からわき出てくる温水や鉱水、炭化水素、水蒸気を主成分とする天然ガス以外のガスで、下記の表に記載された温度または物質があるもの」
※引用:環境省「温泉の定義」

温度 セ氏25度以上

以下に記載された成分のうちいずれか1つを含む。

項番 成分名 含有量(1キログラム中)
1 溶存物質(非ガス性のもの) 1,000ミリグラム~
2 遊離二酸化炭(遊離炭酸) 250ミリグラム~
3 リチウムイオン 1ミリグラム~
4 ストロンチウムイオン 10ミリグラム~
5 バリウムイオン 5ミリグラム~
6 フェロまたはフェリイオン(総鉄イオン) 10ミリグラム~
7 第一マンガンイオン(マンガン(Ⅱ)イオン) 10ミリグラム~
8 水素イオン 1ミリグラム~
9 臭素イオン(臭化物イオン) 5ミリグラム~
10 沃素イオン 1ミリグラム~
11 ふっ素イオン 2ミリグラム~
12 ヒドロひ酸イオン(ヒ酸水素イオン) 1.3ミリグラム~
13 メタ亜ひ酸 1ミリグラム~
14 [HS-+S2O32-+H2Sに対応する総硫黄(S) 1ミリグラム~
15 メタほう酸 5ミリグラム~
16 メタけい酸 50ミリグラム~
17 重炭酸そうだ(炭酸水素ナトリウム) 340ミリグラム~
18 ラドン 20(100億分の1キュリー単位)~
19 ラジウム塩 1億分の1ミリグラム~

※引用:環境省「温泉の定義」

温泉には、このようにさまざまな成分が含まれており、公共の温泉施設や飲用として使用する場合は、都道府県知事などの許可申請と温泉成分の分析書の提出が必要です。

 

鉱泉と温泉の違いを簡単に解説

一言で温泉と鉱泉の違いを言うと、温泉は気体を含み、鉱泉は気体を含まず液体のみを含むという点になります。

温泉と鉱泉の定義

温泉の定義 地中から湧き出てくる温水、鉱水、その他の炭化水、水蒸気を主な成分とする天然ガスを除くガスである
鉱泉の定義 地中から湧き出てくる温水、鉱水の泉水で、ガス状物質や多量の固形物質か特殊な物質を含むか、または周囲の年間平均気温より極端に泉温が高い

※温泉:「温泉の定義」(環境省)より
※鉱泉:「鉱泉分析法指針(環境省;平26年改訂)」より

上記の通り、温泉には地中から湧き出てくる水蒸気やその他のガスが含まれますが、鉱泉にはありません。
「鉱泉」の定義では基本的に「温泉」の温度や含有物質の定義と同じですが、「鉱泉」は「温泉」の中の一つであると言えるでしょう。

一般的に、湧出温度が25℃未満の温泉を「鉱泉」または「冷鉱泉」と呼ぶことが多いようです。
しかし、鉱泉分析法指針の定義では、25℃以上の湧出温度のものも「鉱泉」とされるため、「温かい鉱泉」も存在することになります。

 

◆鉱泉の分類について


鉱泉の分類と詳細を以下の表にまとめてみました。
A:泉温による分類
B:浸透圧による分類
C:液性による分類

A:

25度未満 冷鉱泉
25度〜33度 低温泉
34度〜41度 温泉
42度~ 高温泉

※25度以上の泉温度のものは全て温泉となります。

B:

1 低張性 溶存物質が8,000ミリグラム/1キログラム未満 または 凝固点が-0.55度未満
2 等張性 溶存物質が8,000〜9,999ミリグラム/1キログラム または 凝固点が-0.55〜-0.57度
3 高張性 溶存物質が1,0000ミリグラム/1キログラム~ または凝固点が-0.58度~

※浸透圧は泉水1キログラム中にある溶存物質の量、または溶存物質の氷点(凝固点)によって分類されます。

C:

酸性 pH2.9以下
弱酸性 pH3〜5.9
中性 pH6〜7.4
弱アルカリ性 pH7.5〜8.4
アルカリ性 pH8.5~

※鉱泉や温泉は、浸透圧の違いによって酸性・中性・アルカリ性に分類されます。
※酸性は高い殺菌効果があり、キズなどに有効で、アルカリ性は古い角質を落とすため美肌効果があります

 

◆鉱泉ができる仕組み


鉱泉ができる仕組み

ところで、鉱泉や温泉はどのようにしてできるのでしょうか。
鉱泉や温泉ができる仕組みを知りたいものですね。

鉱泉や温泉は、「火山性」のものと「非火山性」のものの2つがあります。

 

1.火山性のもの

例えば日本のような火山地帯には、比較的浅い地下数キロメートル~10数キロメートルのところに、「マグマだまり」という地下の深いところから上昇してきたマグマのかたまりがあります。

地下水がこのマグマだまりの熱で温められ、地中の岩石に含まれるミネラル分やマグマの成分といったものが溶け出したものです。

 

2.非火山性のもの

地熱によって地下深くにたまった水が温められたものです。
非火山性のものは、「深層地下水型」と「化石海水型」にさらに分けられます。
塩分を豊富に含んでいる「化石海水型」は、湧出温度が25度未満のものでも鉱泉や温泉です。

 

◆鉱泉の分類を知り、温泉を楽しもう


「鉱泉」と「温泉」には大きな違いはありませんが、定義上は明確に区別されています。
しかし、習慣的に湧き出てきた時の温度が高い温泉のことを「温泉」、湧き出てきた時の温度が低いものを「鉱泉」と呼んでいます。

「鉱泉」と「温泉」の区別はこのようにはっきりと区別されずに使われているのが実情のようですね。

たまには「温泉」ではなく「鉱泉」とうたっているお湯に浸ってみるのもいいのではないでしょうか。
新鮮な温泉の喜びが得られるかもしれませんね。

なお、源泉掛け流しの天然温泉「栃木天然温泉 いきいき夢ロマン」は、都心からも近く、「鉱泉」も「温泉」も両方とも楽しめるおすすめの施設です。
ぜひ一度お出かけください。