お風呂をより楽しむために入浴剤は欠かせません。
ところで、日本には季節湯や薬湯といって、植物をお風呂に入れる習慣が古くからありますし、炭やゲルマニウム鉱石などの石を入れることもあります。
入浴剤以外に、お風呂に入れるものにはどんなものがあり、どのような効果があるのでしょうか。
そこで、この記事では、入浴剤の代わりにお風呂に入れてよいものの素材や、その効果、入れる際の注意点などについて詳しく解説していきます。
◆入浴剤の主な効果
市販の入浴剤にはさまざまな効果があります。
主な効果をまとめました。
1.保温
特に、硫酸ナトリウムしゅわしゅわと発泡するタイプの入浴剤による保湿効果が高いようです。
炭酸ガスが皮膚から入りこむので、運動後など全身の疲れを感じたときに、ポカポカと体の芯まで温まります。
このタイプの入浴剤はタブレット型のものが多いのですが、パウダータイプのものや、ラムネ大のものもあります。
発砲するのは、成分となるクエン酸・リンゴ酸・フマル酸・炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩などが化学反応するためです。
2.保湿
特に。セラミドやコラーゲン、ホホバオイルなどの入浴剤による保湿効果が高いようです。
入浴剤は、パウダータイプの無機塩類に保湿成分を含ませたもののほかに、液体状のバスオイルやバスミルクといったものがあります。
3.血行促進
炭酸ガスがお湯に溶けて皮膚から吸収され、皮膚の内側に入り込み、血管の筋肉へ直接働きかけて血管を広げます。
血管が広がると血圧が下がるので、血行が促進され、全身の新陳代謝の促進が可能です。
4.リラクゼーション効果
ハーブ系の香りがするラベンダーやカモミール、ベルガモットなどの入浴剤は、リラクリゼーション効果が高く、睡眠の質を向上させるはたらきがあります。
5.清涼感
暑い日々が続くと、 湯船につからず、ついついシャワーだけで済ませてしまいます。
クール系入浴剤には「メントール」などの清涼感を感じる成分が含まれているのでお勧めです。
6.「疲労回復」「美容効果」など目的に応じて選ぶと良い
このように入浴剤にはさまざまな種類があり、含まれる成分によって効果もそれぞれ違いがあります。「疲労回復」や「美容効果」など目的に応じて最適な入浴剤を選ぶとよいでしょう。
7.詳細はタイプによって異なる
市販されている入浴剤のうちよく見られるタイプとして、以下の2つのものがあり、詳細はタイプによって異なります。
① ミネラル系(無機塩類系)のもの
特徴:保温・清浄などに効果がある
形状:パウダーあるいは顆粒
主成分:ミネラルで温泉由来の成分が配合されているものもる
その他の成分:硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム(重曹)
② 有機酸系(炭酸ガス系)のもの
効果:保温・疲労回復
形状:パウダーあるいは錠剤でラムネ大のものも
特徴:多くはタブレット系で、硫酸ナトリウムしゅわしゅわと発泡する
◆入浴剤の代わりになるものと効果
市販されている入浴剤の他にも、お風呂に入れると入浴剤のような効果があるものがあります。
入浴剤の代わりになるものを紹介します。
1.ゆず・レモン・みかんなど柑橘類
柑橘系の果物の皮をお風呂に入れると、体の芯から温まることができ、血流が促進され、新陳代謝のアップに効果的です。
さらに、柑橘類には血行を良くするポリフェノールや保湿作用のある成分が含まれています。
2.りんご
2~3スライスしたりんごを湯船に浮かべた「りんご風呂」は、甘い香りがただよってくるのが特徴です。
りんごをむいた後の芯や皮だけでも効果があります。
ビタミンやミネラルを多く含んだりんごは、保湿・美肌効果や血行の促進効果が期待できます。
3.塩(粗塩)
湯船に塩を入れると、体の芯から温まり、新陳代謝や血行が促進され、むくみが解消されます。
また、マグネシウムは保湿効果もあるので、美容にも効果的です。
家庭の台所にある塩は、いつでも手軽に入手できるのもメリットといえるでしょう。
塩の量が多すぎると肌に負担をかけてしまうので注意が必要です。
4.重曹
重曹は英語でベイキングソーダともいいます。
穏やかな弱アルカリ性の重曹は、お風呂に入れることもできますし、残り湯で洗濯をすることも可能です。
弱アルカリ性なので、毎日の手軽なお掃除・お手入れにはうってつけでしょう。
5.しょうが
血行が促進され、冷え対策や便秘対策に有効です。
肩こり・腰痛・抗菌・抗ウイルス作用といったものもあるようです。
鎮静作用もあるので、集中力や記憶力を高める効果や、リラックス効果が期待できます。
なお、皮膚に発疹・発赤・かゆみ・刺激などの異常が発生した場合は、ただちに入浴を中止しましょう。
6.アロマオイル
入浴剤の代わりにアロマオイルもよく利用されています。
ただし、精油はお湯には溶けず、しかも肌への刺激が強いため、精油単体では使用せず必ず、かならず乳化剤やキャリアオイルなどを併用するようにしましょう。
7.ハーブ
ガーゼやお茶パックなどに入れると後片付けが楽です。
8.漢方
薬草に含まれている精油成分がお風呂のお湯に溶けて、肌に刺激を与えて血行を良くし、新陳代謝を高めます。
また、薬草に含まれているタンニンは肌を引き締め、肌荒れや、湿疹、あせもなどの皮膚病の治りを早めるのに効果的です。
9.牛乳
牛乳風呂は銭湯やスパでよく見かけます。
牛乳風呂は500ml~1Lくらいが適量です。
少しぬるめの38~40度くらいの温度にして、ゆっくりつかってお肌に浸透させます。
匂いが気になる方は、少ない量から始めるとよいでしょう。
10.お酒(日本酒・ワイン)
日本酒やワインの入ったお風呂は、体がポカポカに温まりやすくなります。
ただし、アルコールによる刺激を肌に感じた場合は、ただちにお風呂から上がりましょう。
日本酒は、「純米酒」がおすすめで、250ccくらいが適量です。
ワインの場合は、50~100mぐらいが適量となります。
お湯は38~40度程度とぬるめにし、お酒が弱い方は少ない量からスタートしましょう。
◆入浴剤の代用品を使用する際の注意
入浴剤の代用品には入浴剤同様にさまざまな効果がありますが注意点もあります。
入浴剤の代用品を使用するときの注意点をご紹介しましょう。
1.他のものや入浴剤と混ぜない
他のものや入浴剤と混ぜて使用すると、入浴剤の効果が得られなくなるおそれがあります。
「アロマオイルと併用可能」などと書かれている入浴剤以外は、混ぜないようにしましょう。
2.追い焚きはNG
塩化ナトリウムや酸化チタンなどの成分が含まれる入浴剤は、配管を傷つける可能性があるため追い炊きはNGです。
3.不織布や布袋に入れて使用する
入浴剤以外の果実などは、果肉や種がお風呂の中に散らばるので掃除が大変です。
そのため、不織布や布袋に入れて、入り口は輪ゴムで縛って使用するようにしましょう。
小さなお子様がいらっしゃる場合は、お茶パックやだしパックが特におすすめです。
4.入浴後はすぐに掃除すること
入浴剤以外の物を入れた場合、浴槽にニオイや茶渋が残る恐れがあるので、すぐにお風呂の掃除をしましょう。
特にアロマオイルは非常に強い香りがあるので注意が必要です。
なお、お風呂汚れには浴室用洗剤を使用しましょう。石鹸はカスが残るのでおすすめできません。
5.肌への刺激や異常を感じたらすぐに中止すること
体質や肌質は人それぞれ異なりますので、美肌効果があるとされるものでも、人によっては肌がピリピリしたり、かゆかったりといった症状が見られる場合があります。
肌への刺激や異常を感じたら、ただちに入浴を中止しましょう。
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ここまで、入浴剤や入浴剤の代わりにお風呂に入れると良いものについて解説してきました。
「疲労回復」「美容効果」など、目的に応じてお風呂に入れるものを選ぶのがおすすめです。
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