「源泉掛け流し(げんせんかけながし)」と掲げている温泉のパンフレットやポスターを見ると、上質な温泉というイメージが湧いてきて魅力を感じるものです。
とはいうものの、「源泉温泉(げんせんおんせん)」と「天然温泉」の違いを聞かれると、明確な答えができない人も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では厳選掛け流しの定義やメリット・デメリット、天然温泉との違いなどについて詳しく解説します。
温泉の関連用語についても触れていますので、温泉を今以上に楽しむためにもこの機会にぜひ知っておきましょう。
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◆源泉掛け流しとは?
「源泉掛け流し」とは、何となく、いつも新鮮なお湯がたっぷり湯船に注がれている温泉をイメージする人が多いのではないでしょうか。
実は、「源泉掛け流し」には明確な定義がないのが実情です。
1.源泉掛け流しの定義
一般社団法人日本温泉協会の定義によると、源泉掛け流しとは「新しい源泉を常時浴槽に入れて溢れさせる状態」のことです。
とはいえ、温泉団体や地域によってその定義が曖昧なのが実情となっています。
続いて「源泉掛け流し」に使われているそれぞれの言葉の意味を解説しましょう。
2.源泉とは?
そもそも源泉とは何でしょうか。
源泉には以下の3つのタイプがあります。
名称 | 特徴 |
---|---|
自然噴出(しぜんふんしゅつ) | 地盤の割れ目から源泉が自然に噴出する |
堀削自墳(くっさくじふん) | 掘削機器を差し込んで地中の源泉を水圧で噴出させる |
堀削動力揚湯(くっさくどうりょくようとう) | ボーリング方式によりポンプの力で吸い上げる |
3.掛け流しとは?
常に浴槽の中に温泉のお湯や水道の水などがあふれるほど流れ込んでいることを「掛け流し」といいます。
「掛け流し」は、温泉のお湯に限らない点に注意しましょう。
4.源泉掛け流しと源泉100%掛け流しとは?温泉の種類と特徴
ポスターやパンフレットに書かれた「源泉100%掛け流し」という言葉の響きは、温泉ファンの心を引き付けるものがあります。
100%とはパーフェクトということですが、何がパーフェクトなのでしょうか。
「源泉100%掛け流し」と「源泉掛け流し」はどんな違いがある?
パーフェクトなのは、温泉水のことで、地中からわき出てきたお湯が100%温泉であるということです。
ちなみに、適温にするために、水などを加えずに、高温の源泉を冷却パイプなどに通して自然冷却をすることがありますが、このケースも「100%」と解釈されています。
しかし、源泉に少々の水やなどを加えて、温度を上げたり下げたり、消毒などがおこなわれている場合は「100%」を抜いて「源泉掛け流し」と呼ばれます。
源泉100%掛け流し | 源泉掛け流し | |
---|---|---|
温度調整手段 | 冷却パイプなど | 加水・加温など |
「温泉掛け流し」と「源泉掛け流し」の違いとは?
「掛け流し」とは、新鮮なお湯がいつもあふれている状態のことです。
「温泉」と「源泉」という言葉の違いがあるのは、以下の表のように源泉そのものが使われているのかどうかの違いになります。
源泉掛け流し | 源泉掛け流し | |
---|---|---|
加水・加温 | あり | なし |
「天然温泉」と「源泉掛け流し」の違いとは?
「温泉(天然温泉)」とは、25度以上の温度を持ち、地下から湧き出てくるもの、あるいは温泉法で定められた基準値を上回るものと定められています。
地中からわき出てきた源泉に水などを加えたり、あるいは一度使った源泉を再利用したりする場合は以下の表のように「天然温泉」です。
天然温泉 | 源泉掛け流し | |
---|---|---|
加水・加温 | あり | なし |
再利用 | あり | なし |
◆源泉掛け流しのメリットとデメリットとは
高級温泉の印象がある「源泉掛け流し」ですが、実はデメリットもあります。
源泉掛け流しのメリット・デメリットについて解説しましょう。
1.源泉掛け流しのメリット
本来の源泉の醍醐味を直接楽しめることが源泉掛け流しの最大のメリットです。
また、血管拡張作用といった温泉ならではの効果を直接感じとることができます。
さらにもう1つのメリットとして、源泉掛け流しの場合は、消毒液などのにおいがほとんど感じられない点です。
項番 | メリット |
---|---|
A | ダイレクトに源泉本来の成分や香りや肌触りなどを楽しめる |
B | 血管拡張作用などの温熱作用の効果がある |
C | いやなにおいを感じない |
2.源泉掛け流しのデメリット
源泉掛け流しはメリットばかりではありません。
いくつかのデメリットもあります。
まずは、自分にあった温度に調節することが源泉掛け流しの場合はできないので、人によっては、適温が楽しめない場合があります。
そして、強すぎる温泉の場合は湯あたりしやすいという点もデメリットの1つといえるでしょう。
たとえば名湯・草津温泉の場合、湯音が熱いので、温泉慣れしていない人には熱すぎると感じるかもしれません。
そのため、本来は源泉掛け流しなのに、その看板を放棄して、加水をして入浴しやすい温度に調節しているところもあるようです。
そして、さらにもう1つのデメリットとしては、浴槽内に汚れがたまりやすいという点でしょうか。
項番 | デメリット |
---|---|
A | 温度調整が難しく、人によっては適温で楽しめない |
B | 強すぎる温泉の場合は湯あたりしやすい |
C | 注がれるお湯の量が少ないと、浴槽内に汚れがたまりやすく不衛生 |
◆温泉を楽しむために知っておくと便利な温泉用語
温泉には日常生活では使われない、独特の用語が使われています。
温泉を楽しむうえで用語の意味を知っておくと、これまで以上に温泉を楽しむことが可能です。
1.加温
ボイラーや熱交換器といったものを使って、温度が低いので源泉に熱や温水などを加えることを「加温(かおん)」といいます。
加温する場合、温泉の経営者はその旨と理由を明示する義務があります。
2.加水
足りなくなったお湯の量を補ったり、お湯の温度を最適な温度にしたりする目的などで水を加えることを「加水(かすい)」といいます。
加水として使われるのは、水道水、井戸水、湧き水、川の水、湖の水、海水などさまざまです。
源泉に含有成分が多いので、体への刺激を弱める目的で使用されることもあります。
上記の目的で加水が行われている場合、温泉の経営者はその旨と理由の明示が必要なのは、加湿の場合と同様です。
3.循環式・循環濾過式
一度使ったお湯を浴槽へ戻して再利用することが「循環式(じゅんかんしき)」あるいは「循環濾過式(じゅんかんろかしき)」です。
ポンプなどを使って浴槽のお湯を浴槽の外へくみ出し、ふたたびそのお湯を再利用する方式が「循環式」で、濾過器(ろかき)などを使ってお湯をきれいにするのが「循環濾過式」になります。
なお、温泉以外のお湯を加える場合は、温泉の経営者はその旨を明示しなければなりません。
◆特徴を理解して温泉を楽しもう
ここまで、源泉掛け流しのメリットや天然温泉との違いや厳選掛け流しの特徴などについて解説してきました。
源泉掛け流しは非の打ちどころのない温泉というイメージがありますが、デメリットもあることがおわかりになったと思います。
また、厳密には「源泉掛け流し」と呼ばれる温泉と「天然温泉」と呼ばれる温泉には、この記事で説明してきたように明確な違いがあり、それぞれ特徴があります。
温泉マニアの方は、この記事を参考にして自分にあった温泉を選んでいただければ、より快適な休日を過ごすことができるでしょう。
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本格的な源泉かけ流しのみならず、サウナや岩盤浴もお楽しみいただけます。どうぞお気軽にお越しください。
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