湯治とは?歴史や効果、正しいやり方を解説
2024.09.09
湯治とは?歴史や効果、正しいやり方を解説

温泉でよく耳にする「湯治(とうじ)」とはどういう意味ですか。
なんとなく体に良さそうなイメージがあるけれど、具体的に説明するとなると困ってしまう人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、湯治の歴史、効果、正しいやり方などについて詳しく解説します。

 

◆湯治(とうじ)って何?


湯治とは何かについて解説します。

湯治(とうじ)とは、温泉につかったり、温泉水を飲んだりして病気を治療することで、古くから日本において医学的に認められた医療法です。
湯治では、有効成分を体に取り入れ、治療や療養を行うため、さまざまな病気や健康維持に期待できることが知られています。

湯治する場合、湯治場に1~4週間ほどの長期間滞在して、温泉療養を行います。

湯治は、温泉が本来持つさまざまな効果と、湯治場周辺の豊かな自然のリフレッシュ効果とが、人間が生まれつき持つ自然治癒力を高めることができるとされています。
具体的には、がん、リウマチやヘルニア、アトピー、骨折、神経痛などの治療に利用されることが多いようです。

 

◆湯治の歴史


実は湯治には長い歴史があります。統治の歴史についてご紹介します。

温泉地といえば、今や観光地のイメージがありますが、もともとは病気の治療や回復を目的とした湯治場でした。
温泉に関する記述は、733年の「出雲国風土記」に既に記されていますので、奈良時代初期、あるいはもっと昔の古墳時代から既に見られたようです。

日本書紀によれば、7世紀前半から、天皇や皇族が湯治目的で温泉地へ行幸されたという記述があります。
この湯治場を利用できるのは一部の高貴な人に限られていましたが、江戸時代になると一般庶民にまで普及するようになり、現代にいたるというわけです。

 

◆「湯治宿」と普通の温泉宿との違い


湯治宿と温泉宿の違いをご紹介します。

治療を目的として、温泉地に長期間(少なくとも1週間以上)滞在する人向けの宿が湯治場です。
日帰りや1泊などの短期間で、どちらかというと観光旅行目的である温泉宿泊とは異なるものであると言われています。

湯治をするとなると長期宿泊となるので、1日あたりの料金が安めなのが特徴です。
食事も湯治目的であるため、シンプルでヘルシーなものが多く、味付けも薄眼で、量も少なめです。

湯治場によっては、自炊できるキッチンが備わった所もあります。
料理が好きな方にはおすすめです。

日本の湯治場は、何百年もの歴史があり、湯治場も古くから続いている所が多いようです。
温泉の効果が本物とされている湯治場は、泉質もすぐれており、治療効果も高く、温泉ファンの間では高い人気を得ています。

 

◆湯治で期待できる効果


温泉には泉質の素となるいろんな成分が含まれていますので、湯治もさまざまな効果が期待できます。
主な湯治の効果について解説しましょう。

 

1.自然治癒力を高める

温泉には、人間が本来持つ「自然治癒力」を高める働きがあります。
そのため、湯治で病気やケガを早く治すことが可能です。

 

2.免疫力の向上

温かいお湯に一定時間つかることで体内の免疫細胞が増加し、活性化することが温泉などに関する研究で判明しています。

たとえば、「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」という免疫細胞は、体内のガン細胞やウイルスといった異物を攻撃する働きがあります。
NK細胞が増加すればするほど、体の免疫カも高まるというわけです。

 

3.リフレッシュ

日常生活をしている環境とは全く違う場所に長期間滞在することになるので、リフレッシュ効果が得られます。
自然に恵まれていることが多い湯治場は、リフレッシュ効果をより得やすいようです。

 

4.アトピー性皮膚炎や筋肉痛などの治療にも期待できる

温泉といえば、筋肉痛や血流の改善など、さまざまな効果が期待できます。
さらに、温泉には保湿効果や殺菌効果もあるといわれています。
そのため、アトピー性皮膚炎や筋肉痛などの治療の効果も期待可能です。

 

5.詳細は泉質によってさまざま

温泉は大きく分けて9つの泉質に分けられ、それぞれ特徴や効果が異なります。

以下の表に簡単にまとめてみましたので、比較してみてください。

温泉は大きく分けて9つの泉質

 

6.医師との相談のもと利用すること

温泉の泉質によっては、病気や体調が悪化してしまう可能性もあります。
せっかく湯治場に治療の目的で出かけたのに、かえって症状が悪化してしまっては元も子もありません。

医師との相談のもとに、自分に合った湯治場を選定して利用するようにしましょう。

 

◆湯治の基本的なやり方


湯治の基本的な利用方法について解説します。
長期間の宿泊をともなうのが湯治ですが、湯治の基本サイクルは1週間とするケースが多いようです。

1日~3日目は1日2~3回、15分程度ずつ温泉につかります。
4日目は湯あたりをしやすいので、入浴を休むか1日1回に入浴回数を減らします。
そして、5日~7日目は、再び1日2~3回に戻すのが一般的な流れです。

温泉につかる前にシャワーや桶などを使ってかけ水をして体を慣らし、時々休憩しながら、無理をせずゆっくりと入浴しましょう。

入浴以外の時間は、部屋でゆっくりしたり、温泉街を散策したりして、のんびりと過ごすことをおすすめします。

湯治を開始して数日後には、体が少しずつ変化し、体調が回復してくるのを感じるようになります。
入浴中もリラックスして、浴槽内でストレッチなどをするとよいでしょう。
なお、脱水症にならないように、入浴前後の水分補給はしっかり行うべきです。

湯治場の泉質によっては、湯当たりしたり湯冷めしたりする可能性もありますので、事前に泉質を確認しておくことをおすすめします。

日本では、風呂上りには「あがり湯」をするのが一般的ですが、肌に付着した温泉成分を落とさないためにも、温泉の場合は「あがり湯」はしない方が効果的とされています。

 

◆「いきいき夢ロマン」でプチ湯治


この記事では、湯治の概要や歴史、効果、正しいやり方についてご紹介しました。

湯治とは、比較的長期間温泉地に滞在し、温泉につかって体の不調や病気を改善させてくれるもので、古代より日本人の間で親しまれてきた健康法です。

皮膚炎や筋肉痛、関節痛、神経痛、ストレス解消をはじめ、さまざまな効果が期待できますので、興味のある方はこの機会にぜひ湯治を利用してみましょう。

なお、源泉掛け流しの天然温泉「栃木天然温泉 いきいき夢ロマン」は、関東にあり、都心からのアクセスもよく、プチ湯治も体験できるおすすめの温泉施設です。
ぜひ一度お越しください。